水棲生物修行記

未熟者が水棲生物、とりわけ魚類・両生類・水生昆虫について研鑽する日々を、ただ記しただけのブログです。拠点は九州。コメント大歓迎です。

西表島の両爬

西表島に行ってました。とりあえず両爬を。

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サキシマキノボリトカゲ。本州では見ることのできないこのゴツゴツ感。アガマ、かっこええな。

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サキシマカナヘビ。綺麗。思いの外警戒心が薄かった。

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夏休み前半戦

ちょっとヨーロッパに行ってました。

生き物要素皆無の観光旅行でしたが・・・

ただかろうじてチビゲンゴロウ属の一種を見ることができました。

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はじめはHydroglyphus pusillus かと思いましたが、どうも前胸背板が違うかな・・・ということで未同定です。

あとミズスマシ属も見れました。小さい橋からふと川を見下ろすと大群が群れてました。人生の中で最も大きいミズスマシの群れでした。九州アイランドとはわけが違います。こっちは死んでますからね。 ふと街の小川を見たらミズスマシ、みたいな光景は夢のまた夢です。

学校は二期制なので9月いっぱい夏休みです。まだ始まったばっかり。 夏休み後半はちょっと南の島に行きます。こっちは観光皆無かもしれません。

有明海のまわり

有明海、それは言わずと知れた九州屈指の桃源郷である。

海の豊かさは言わずもがなだが(昔はもっと豊かであったのだろうけど)、その周辺の河川も素晴らしい。九州固有種から大陸系遺存種など、もう考えるだけで笑みがこぼれる。

今回はそんな有明海周辺の河川にプチ遠征に出かけた。同じ九州民でも、有明海周辺の地域に赴くと、そこでしか見れない魚、そしてその種数・個体数に驚く。

プチ遠征の目的は魚ではなかったのだが、ここまで来ておいて川に入らずに帰るわけにはいかない。

 

まずはヤマノカミ。箱根駅伝のランナーを彷彿させる名前だ。国内では九州にのみにしか生息していないマイナーな魚。しかし魚好きなら誰しもが憧れる魚であることは間違いないだろう。少し車を走らせればヤマノカミに会えるなんて、幸せすぎる。

ヤマノカミは降河回遊魚で産卵は海で行うが、稚魚は淡水域にやってきて、そこで成長し、また産卵のために海に戻る。メジャーな種ではウナギなどと同じ生態である。

しかしウナギなどに比べると遡上能力は著しく低く、堰なんかにはめっぽう弱い。

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ここは満潮時には堰の高さより水位が高くなるが、それ以外の時間帯はこのように堰より水位が低いため遡上できないヤマノカミがたむろしている。ちなみに、写真中央よりの男性は、佐賀の重鎮 CB氏で、右側は我が師匠である。

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早速ウナギが入る。降河回遊魚の王様であろう。

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そしてヤマノカミ!!!!

この大きさにしてこの神々しさ。凄まじい。

 

次は淡水域に。

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7割咲きくらいのカワバタモロコ。ワタカを寸詰まりにしたような感じという師匠の表現も分からなくもない。

日本固有種でありながら、生息が確認されているすべての県(府)でレッドデータブックに記載されている希少種でもある。日本の宝なのに・・・

水路で捕獲したが、横の田んぼとの高低差が少なく「もしや田んぼで産んでる!?」と期待したが、水路の奥の浅い湿地で産んでいるっぽい。

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アリアケスジシマドジョウも。名前のとおり有明海のまわりにしか生息していない。メスだけど筋縞模様になっている。メスもなるとは知らなかった。

日本のドジョウ研究を牽引するオイカワマル氏によると、大型のメスも筋縞模様になる、というか”模様が崩れる”ことがあるそうで、オンガスジシマなんかは顕著だそうだ。

 

実りの多いプチ遠征だった。うむ。

くろぎぎゅう探し

自分が二ヶ月ほど前まで通っていた小・中学校では、中間考査や期末試験など、いわゆるテストがありませんでした。

そのため、ついこの前に行われた高1の夏期中間考査は、僕にとって人生初のテストでした。

テストって何?レベルの僕は、周りの友だちを観察し、とりあえずテスト前二週間くらいは遊ばずに勉強するものなのだろうという結論に達し、二週間はテスト勉強を甘受しました。

 

さて、そんなこんなで、二週間ぶりに勉強と緊張から開放されたので、川に行くことに決めました。

お目当てはギギ。地元の川での生息状況は壊滅的なので、今回は電車に乗って隣の町へ。

 

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まずは目撃情報のある川に。

この川にはパイプや穴の空いたいい感じのブロックが沈んでいるらしく、そういったものをピンポイントで攻めれば、易く捕獲できると聞いていたんですが・・・むむむ。ウキウキしないのは僕だけかな・・

田んぼに水をはる時期なので、増水しているし、代かきの影響か濁っているし、なによりがちがちコンクリート川。攻めようがないので、とりあえず、周りの小川でガザってみるも、メダカや飼育型のコイしか入らない。

ということで、もう一度電車に乗って、結局いつもの川へ。

着くとまず久しぶりにお会いするこの川の主、“魚オヤジ”と少しお話。また竹竿をもったファミリーがいたので、魚は岸の方に潜んでいると思いますよ!と少しおせっかいなことをしてから、胴長を来て、いざ川へ。この時期になると、胴長は暑い。。。

 

 

うーーん、捕れない。なかなか捕れない。

すると、さっきの竹竿ファミリーがデカいギギを釣り上げました。ずいぶん楽しそう。やはり、こういうのどかな休日は最高。しかしちょっと悔しい。いや、かなり悔しい。

 

自分も負けじと、ガサると・・・

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うおっっっ!!来たーーー!!

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うーん、だいぶ渋い色になっている大きめな個体。かっこいい。

  

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その後、ポツポツと捕れるギギの幼魚。この大きさの個体は、まだ模様がはっきりしていて、可愛いですね。

 

僕の地元である福岡県(一部地域)では、ギギは元来、“くろぎぎゅう”と呼ばれています。また、アカザのことを“あかぎぎゅう”と呼び、この二種を区別していたようです。ギギは琵琶湖のあたりの呼び名だそうです。琵琶湖あたりの呼び名が標準和名になっていることは多いですしね。 ギギッと鳴く(胸ビレと基底部をこすり合わせる)からギギだそうですが、ぎぎゅうも同じ理由ですかね。だとするとアカザもギギッと鳴くんですかね。聞いたことなです。修行不足ですね。

福岡県内では、一方の河川では絶滅寸前ですが、一方の河川では侵略的な外来種(国内移入種)として、近縁種である九州固有種のアリアケギバチを駆逐していることが問題になっています。複雑な心境になりますね。